手話動画:五月病(2012年5月14日)
手話動画
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司会/こんにちは。今日のテーマは「五月病」です。聴覚サポート「なかま」現地コーディネーターの小海さんにお越しいただきました。いろいろお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
小海/よろしくお願いします。
司会/「五月病」というのはどんな病気なのでしょうか。
小海/はい。実は、「五月病」という名前の病気はないんですね。 連休明けに、やる気がない、疲れているといった状態を見て、半分からかい気味に、連休中に遊びすぎたから五月病だと言われることがあるんです。しかし、その症状の裏には病気が隠れていることがあるので注意が必要です。
司会/例えば、どんな病気が隠れているのですか?
小海/いろいろな病気があるのですが、代表的なものとしては、適応障害と、うつ状態でしょう。
司会/適応障害とはどんな病気ですか?
小海/外から来るストレスによって、身体的症状、例えば不眠、食欲不振、頭痛などがありますが、病院で検査しても異常が見つからないのが特徴です。精神的な症状には、不安、焦り、抑うつ感などがあり、仕事ができなくなったり、引きこもりがちになったりします。医師の診断が必要です。
司会/病院に行っても原因がわからないときは、精神科を受診すると良いのですか。
小海/そうですね。内科などの医者から精神科の医者に紹介状を書いてもらうと良いと思います。または心療内科でも受けられると思います。うつ状態も同じように対応できます。
司会/五月病というと、なんだか軽いようなイメージがありましたが、重い病気の場合があるのですね。
小海/はい。昔は、怠け病と言われて誤解されていました。そのため、ますます症状がひどくなって退職したり、最悪の場合は自殺したりしたケースがあったそうです。
司会/自分が五月病になっているのかどうかわかる方法はありますか。
小海/例えば、不眠が2週間以上続くとか、仕事に行けなくなったとか、そういう状態が続いた場合は、なっている可能性が高いです。
司会/その場合は、精神科または心療内科を受診することですね。
小海/ぜひ早めの受診をお勧めします。
司会/五月病を予防するためのポイントはありますか。
小海/まず、なりやすい性格というのがあります。几帳面、まじめ、融通が利かない。そういう人は注意が必要です。
まず一人でかかえこまない。友達などに話すことです。
2つめは、完全でなくてよいのです。手抜きを覚えること。
3つめは、生活リズムを正しく。朝は起き、夜は寝る。睡眠を十分とること。
そして、酒で忘れようとするのではなく、アルコールは少なめにおさえることです。
五月病といいますが、例えば、会社に入り、新入社員の研修のあと、現場で働き始めるのがだいたい6月ごろ。そこで発症する人も多いので「六月病」と言う場合もあります。昨年3月の震災で、常にストレスにさらされているということから、いつでも予防を心掛けることが大切です。
司会/なるほど。本日はいろいろ教えていただき、ありがとうございました。