手話動画:傷は乾かせてはいけないって、ホント?!(2013年1月15日)
手話動画
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みなさん、「うるおい療法」という言葉をご存じでしょうか。
誰でも、子供のころに転んでひざをすりむいたり、また、料理中に包丁などで指を切ってしまったという経験はあると思います。その時、みなさんはどのように傷を治していましたか?
ひと昔前は、化膿しないようにすぐ消毒し、ガーゼ等をあてて傷口を濡らさないようにしていたと思います。「傷は乾かせ!」が常識でした。
しかし、近年は、「消毒と傷の乾燥は治りを妨げる」ことが知られるようになり、治し方の常識が変化しています。その治し方を「うるおい療法」、正式には「湿潤(しつじゅん)療法」といいます。
例えば、包丁で指を切ったりすると、傷口から出血し、その後にちょっと黄みがかった透明の液が出てきます。それは「浸出液(しんしゅつえき)」といい、バイ菌が入って化膿しているわけではなく、傷を治そうと体が一生懸命頑張っている状態なのです。
消毒をしたり、ガーゼを当ててしまうと、浸出液を吸い取り蒸発させてしまうため、傷は治りにくくなってしまいます。
最近は傷を乾燥させないように、潤いを保つ透明のフィルムシート等が販売されています。
「傷は乾かしてはいけない!」という治療方法によって、処置の回数も減り、痛みも少なく傷が早く治るようになりました。また、傷あとやケロイドの発生が少ないなどのメリットもあります。
より早く、よりきれいに治ることができても、やっぱり、ケガをしないに越したことはないですね。