手話動画:震災遺構(2013年8月12日)
手話動画
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東日本大震災の津波で内陸に打ち上げられた大型漁船「第18共徳丸」。気仙沼市が震災遺構とすることを目指していましたが、保存の賛否を問う市民アンケートで「保存の必要はない」との回答が7割となったため、8月6日、市長が「船主の意向に沿って解体への協力を進める」と、保存を断念することを表明しました。
気仙沼市の分析によると、①震災の記憶をよみがえらせる大きな遺構が町の中心にあることへの違和感、②船主が既に解体を表明、③遺構保存に関する住民説明が不十分だった、としています。
「震災遺構」は、震災の脅威を知る手がかりとなる残存物です。どういったものが「震災遺構」とされるのでしょうか。気仙沼の第18共徳丸や、石巻市の門脇小学校校舎、女川町の倒壊ビル、南三陸町の防災対策庁舎などが解体か保存かで賛否が分かれています。震災の脅威を伝える震災遺構。防災上の反省を後世に伝えることも大切ですが、「あの日」を思い出させるものを見るのがつらいという心理的負担を感じる人もいます。
震災から2年5か月。多くの命が失われた震災遺構の保存の在り方について、さまざまな思いが揺れています。