手話動画:韓国で流行っている「MERS」って何?(2015年6月29日)
手話動画
テキストデータ
現在、韓国で中東呼吸器症候群(MERS)の感染が広がり、社会不安が拡大しています。MERSは、2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症です。原因となるウイルスはMERSコロナウイルスと呼ばれており、主としてアラブ、イランなどの中東地域で患者が確認されています。欧米やアフリカ、アジアの患者もいますが、すべて中東地域への渡航歴のある人、またはその接触者であることがわかっています。飛沫感染や接触感染により感染し、症状が出ない人や軽症の人もいる一方、重症化し死亡にいたる場合もあります。
主な症状は、発熱、咳、息切れなど風邪に似た症状で、重症化すると肺炎を発症したり、下痢や嘔吐などの症状を伴なったりします。
中東のヒトコブラクダがMERSウイルスの保有動物で、感染源の1つとして疑われていますが、まだ正確にはわかっていません。ちなみに、日本国内のヒトコブラクダでウイルスを保有している個体は確認されていません。
韓国では、中東に渡航歴のある人が発症後、診断が確定されるまでに4つの医療機関で治療を受け、うち3つの医療機関で2次感染3次感染と感染が広がりました。
厚生労働省は、日本でも同じことが起きないよう全国の自治体と検疫所の検査体制を整備し、帰国者の検査や健康監視を行っています。