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手話動画:位置について、よーい、ドン!(2024年10月7日)

手話動画

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 「位置について、よーい、ドン!」。日本人なら誰もが知っているスタートの合図です。陸上大会では「On your marks,Set」と言われますが、直訳すると「用意、用意」となります。日本語でこの言い方になったのはどうしてでしょうか?

 明治時代、陸上競技自体も「力芸」と呼ばれていました。陸上競技という言葉を作ったのは、俳句「柿食えば・・・」で有名な正岡子規。ちなみに彼は「野球」という言葉を作ったことでも有名です。
 その頃、スタートの合図はいろいろな言い方でした。例えば、破れた傘を持って「いいか、ひい、ふう、みい」で傘をパッと下げるとか、「腰を上げて待て」「よろしゅうごわすか」などの掛け声もあったそうです。大会ごとに掛け声が違うのは、選手としてもやりにくかったでしょうね。

 日本語で統一されるきっかけになったのは、昭和3年に国際基準の陸上大会において自国の言葉でスタート合図をしていいと認められたことです。そのころは英語を使っており、日本語での統一した言葉がありませんでした。そこで陸上連盟が懸賞金付きで一般公募し、選ばれたのが19才の青年が応募した言葉でした。スターティングブロックのない時代、選手自ら穴を掘って足場を作り、そこに足を置いていたため、「位置について」という言葉が思い浮かんだそうです。
 翌年には陸上競技規則に明文化され、広く一般にも使われるようになっていきました。現在、陸上大会では英語が使われています。しかし日本中の運動会では「位置について、よーい」が使われていますね。